The sun will not appear ⅩⅣ
太陽が沈まないから
みんな いつ 眠ればいいかわからない
人工の光の中では
自分の部屋の明かりを消しさえすれば
そこは 夜だった
夜を作らなければならない
暗幕 地下室 海底トンネル
暗闇を作り出すのには
いろいろな方法があるけれど
一番簡単なのは
ふとんに顔まですっぽり入ること
ロシア産のシルバーグースの羽毛布団
フランス産ホワイトダックの羽毛布団
天使の羽根の羽根布団
しかも 上級天使のラプンツェル50%ガブリエル50%
夜を作るのにどれがいいか論争が始まる
Let's sleep on it.
不用意な発言でみんな固まる
日の沈まない孤島で 二匹のバクが
互いの夢を食いながら衰弱してゆく
島が反転すれば 地上は夢にあふれる
その代わり 二匹は水没する
瞼の裏に
縦横に並ぶモニター画像
夢のチャンネルを
選びましたか
夢の次元を選びましたか
さあ 楽しい夢をご覧ください
すでに みんな 思っている
これは夢
太陽が昇らなかったり
昇ったが最後 沈まなかったり
夢に間違いない
何かのきっかけで
目が覚める
今回りにいる人たちは消えるが
元々私の知っている人たちが現れるから大丈夫
でも 誰も 思わない
目が覚めたとき いる場所も
次の現実へ目覚める前の夢
その夢が覚めた時にいる場所も
やはり 夢かもしれないとは
そしてまだ 太陽は沈まない